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辛ラーメン






突然猛烈に辛ラーメンが食べたくなった。



仕方がないから、外に出て近所のコンビニに買いに行くと、あろうことかこのラーメンだけ売り切れている。他の袋麺はあるのに。たった今自分と同じような気持ちの人がいるのだろうか。すぐにそんなことを思ってしまうが、いやいやそんなことはないだろう、たまたまでしょう。



仕方がないから、また他のコンビニに行く。どうやらあたまがあの辛さの痺れで支配されているようだ。



んが、あろうことか二件探しても、ない。



二件目には辛ラーメンのカップの焼きそばバージョンなるものがあって、これでいいでしょ、と向こうは諦めを促してくるのだが、それは違うでしょうが。



果たしてもう一件目の前に別のコンビニがあって、もしやそこに無いなら自分はどうするんだろうと、はたと考えながら横断歩道を渡る。また離れた別のコンビニに行くのだろうか、自分。



・・・あった。ありましたよ。良かったねえ。



それにしてもこのラーメンほど替えの効かないものはそうそう無いのではなかろうか。このラディカルでソリッドな辛味の刺激、インスタント過ぎるインスタント麺、なんだか素っ気ない深みがあるようでないようなスウプ。自分はそういう、他に替えの効かない、君じゃなければ、お前じゃなきゃ、ダメなんだ、というものが妙に好きだ。



これを食べる時に必ずや思い出すことがあって、以前とある人、遠い知り合いがSNSでここの国のことが嫌いで、だからこの国の食べ物、例えば辛ラーメンを好き好んで食べる人のことが心底わからない、みたいなことを書いていて、自分は自動的に瞬間的にその人をこころの中でブロックした。これを読んでいる人がそんなふうな人でなければいいけど。



こういうひととは生涯合わないんだろうなぁ。だから店にもいかなくなったもんなぁ。というか、この人はそういうことを言った人なんだ、ということが自分の中でずっと消えなくて、それが悲しいというか、それはもうしょうがないことだ。



そんな後味の苦いことで終わりたく無いので、袋麺をガスが無くて電気ポット(電気でお湯が沸くやつ)で作って食べる方法は知ってますか。電気でお湯を沸かしてすぐに麺にかけて少し待ち、お湯を捨ててまた熱々を注ぎ、何回かそれを繰り返す、と。最後に付属のだし粉末やオイルをかけて食べる。袋麺の表面の余分な油も流れ落ちて、より美味しくなる、とどこかに書いてあったけど、それはどうだろう。とにかくうちの店はガスコンロと電気ポットしかないので、ガスボンベが無くなった時にこのやり方で偉く重宝します。はい。






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